ZIPPOにまつわるいくつかのエピソードを歴史的な話題を中心にご紹介します。
ZIPPOの創始者
世界一有名なオイルライターのブランドZIPPO社(正確にはジッポー・マニュファクチャリング・カンパニー)は、アメリカ、ペンシルベニア州のブラッドフォードに、ジョージ・G・ブレイズデル氏により設立されました。
ブレイズデルは、とあるパーティーで友人が使っていたライターを見て事業を思いついたということです。そのパーティーの際に友人が持っていたライターは、パーティー用の洒落た格好に不釣り合いな安物でした。ブレイズデルが友人にそのことを指摘すると、友人は「でもこのライターはちゃんと火が付くんだ」と言うのです。
当時は、高価なライターであっても毎回きちんと火が付かないこともありました。そのため、「必ず火が付く堅実なライターは売れる」と思い立ったブレイズデルは、まずはその友人が持っていたオーストリア製ライターの独占販売権を獲得、輸入販売をはじめます。そしてその後間もなく、オリジナルのライター開発を開始しました。
ZIPPO社の合い言葉
「火が付けさえすればよい(It Works!)」はZIPPOライターの合い言葉です。これはブレイズデルがオリジナルライターを開発するうえで常に心掛けていたこと。一発で火が付き、かつ消えにくい構造のZIPPOライターは、現在もそのスタイル・基本構造が変わることなく受け継がれています。
もちろん、それだけでなく彼は使いやすさも忘れませんでした。片手で開けられるよう蓋にヒンジを取り付けたり、持ちやすいように長方形のスタイルにしたりと、使用者の立場に立った工夫が随所に凝らされています。
アメリカ軍とZIPPO
ZIPPOライターがこれほどまでに普及したきっかけとして、アメリカ軍との繋がりを忘れるわけにはいきません。第二次世界大戦中、耐風性が強く頑丈なZIPPOライターは「いかなる状況下でも点火できる器具」を求めていたアメリカ軍にとってうってつけのライターだったのです。必要最小限の構成ゆえ部品も少なく、修理も容易だった点や、燃料としてガソリンが使える点なども評価されました。
ZIPPOライターはアメリカ軍が正式採用したわけではなく、軍基地内の売店で販売されただけです。しかし、兵士の間で爆発的な人気を呼び、入荷するや否や取り合いになるほどでした。これは、実際に戦地でZIPPOライターを用いた兵士達の間で評判が高く、その性能が口コミで広がったからです。
アメリカ軍の名将として知られ、ノルマンディー上陸作戦を指揮したドワイト・D・アイゼンハワーも「私の持っているライターの中でどんな時でも火が付くのはこれだけだ」と賞賛しています。
ビンテージZIPPOの紹介-ベトナムZIPPO-
「アメリカ軍とZIPPO」というテーマの中でもう一つ忘れてはならないのが、ベトナム戦争です。アメリカという国を語るうえで決して褒められる出来事ではありませんが、それは戦地に赴いた兵士達が一番実感していたことでしょう。戦争の是非もさることながら、被害は想像を絶するものがあり、兵士達にとっては本当に過酷な戦地でした。
その時に心のよりどころとなったのがZIPPOライターです。ベトナムには無地のZIPPOライターに好きなデザインを加工してくれる出店があり、アメリカ兵士達が広く愛用していました。そのZIPPOライターは「ベトナムZIPPO」と呼ばれ、現在では大変貴重なビンテージZIPPOとして、コレクター達が高値で取引しているようです。
ZIPPOが愛される理由
ZIPPOライターがたくさんの人に長年愛されるのは、数々の魅力があるからです。
永久保証
ZIPPOライターは発売以来の全てのライターに対して永久無料保証を付けています。粉々になったものや、ローラーにつぶされて真っ平らに潰れてしまった修理不能品までも交換という形で保証に応じてくれるのは、愛用者からZIPPO社製が高く信用されている大きな要因になっています(ただし、表面の傷など機能に差し障りのないものは修理対象外です)
単純構造
ZIPPOライターが長年扱える耐久性を備えているのは、構造が単純であることが大きいでしょう。細部の改良はあったものの、基本的な構造はほとんど変わっていません。
また、様々な素材・図柄のあるZIPPOライターですが、それは外側のケースのみで、中身のライター部分(インサイドユニット)は全て共通のものが使用されています。この単純な構造こそが、手入れ・修理のしやすさや頑丈さに繋がり、愛着のある道具としての魅力を増しているのです。
様々な絵柄
誕生以来ほとんど変わらない形状とは逆に、実に様々な絵柄のZIPPOライターが製造されています。そのきっかけとなったのは、創業者のジョージ・G・ブレイズデルがZIPPOライターの普及のためにノベルティグッズとしての路線を開拓したことが大きいでしょう。 煙草の銘柄や、石油会社の企業名などをはじめとして、数々の企業ロゴや商品の絵柄がZIPPOライターの側面を彩りました。かのウォルト・ディズニー・プロダクションがデザインを提供していた例もあるというぐらいだから驚きです(現在は廃止しています)
現在のZIPPO事情
ZIPPOライターは現在でも様々なデザインが施され続けています。最近の日本で増えているのがキャラクター物。人気アニメや漫画のキャラクターが描かれたZIPPOライターは年々そのバリエーションが増えているのではないでしょうか。
アメリカでは最近、喫煙に対する規制が厳しくなりました。しかし、ZIPPOライターの売り上げは落ちることはなかったそうです。というのも、このように次々と生み出される様々なデザインのZIPPOライターに惹かれるコレクターがいるからではないかと考えられています。













